ノジュール(団塊)の見分け方
泥岩の露頭や河原に、周りより硬くて丸みのある石が混じっていることがあります。 ノジュール(団塊)と呼ばれるもので、化石が入っている確率が高い石です。 なぜ高いのかが分かると、見つけ方も割る場所も決まります。
できかたを知ると探せる
海底に沈んだ生き物の遺骸が腐ると、その周りだけ水の性質が変わり、 炭酸カルシウムが沈着します。化石を核にして、その周りに石が育つわけです。 だから——
- 中心に化石が入っている(核が化石以外のものもあります)
- 周りの泥岩より硬いので、風化すると母岩から浮き出る
- 同じ時期に埋もれたものなので、同じ層準に並んで出る
実物を見る
まず、割る前がどう見えるかです。角が取れた丸い塊で、層がありません。 表面はざらついた一様な質感で、ふつうの礫のように磨かれてはいません。 この個体は縁にアンモナイトの断面が顔を出しています。

次が、同じ石の割る前と割った後です。上が割る前、下が割ったところ。 左が外側の型(外形が写し取られた面)、右が化石そのもの。 2つに割ると型と本体の両方が手に入りますので、片方だけ持ち帰らないでください。

当たりのノジュールでは、1つの面に複数の個体が並んで出ることがあります。 同じ時に同じ場所に埋もれたものが、そのまま固まっているからです。

現地での見分け
| 手がかり | ノジュール | ただの礫 |
|---|---|---|
| 形 | 丸みのある塊、やや扁平。表面はなめらか | 角ばるか、川で磨かれて均一に丸い |
| 母岩との関係 | 周りの泥岩に包まれている。層が団塊を避けて曲がる | 周りと無関係に転がっている |
| 色 | 母岩と違う(褐色・灰白色に風化することが多い) | さまざま |
| 硬さ・音 | 母岩より硬く、叩くと高い音 | — |
| 希塩酸 | 石灰質なら泡が出る | 石灰岩礫でなければ出ない |
| 断面 | 同心円状の構造。中心に色の違う核 | 均質 |
拾う前に見るところ
- 表面に化石が顔を出していないか。アンモナイトの巻きの一部や、 貝の断面が表面に見えていることがあります。見えていれば中身はほぼ確実です。
- ひび。すでに割れかけているものは、そこから開きます。
- 層に沿って追う。1つ見つかったら、その団塊が入っている層を横へ たどります。層は水平とは限らず、傾いていることのほうが多いので、 高さではなく層の面に沿って探します。上下に探すより効率がよいです。
全部に入っているわけではありません
核が無い(あっても分解して残っていない)ノジュールも多く、割っても 何も出ないほうがふつうです。10個割って1つ当たれば良いほうと考えておくと、 落胆せずに済みます。空振りのノジュールを何十個も持ち帰ると重いだけなので、 現地で判断してください。
黄鉄鉱のノジュール
金色に光る立方体の結晶が見えるものは黄鉄鉱です。化石が黄鉄鉱に置き換わって 残ることもありますが、湿気で崩れやすいのが難点です。持ち帰るなら乾燥剤と 一緒に密閉し、他の標本と分けて保管してください(崩れるとき硫酸を出し、 近くの標本やラベルを傷めます)。
ほかの解説
- 採ってよい場所かどうか — 権利・許可・採った化石は誰のものか
- 安全 — 崖・増水・熱中症・クマ
- 道具 — 何から買えばよいか
- 岩の見分け方 — 点数の高い岩が、現地でどう見えるか
- 石の割り方と、割らない判断 — 見つけたあとの、いちばん失敗しやすいところ
- 記録の取り方 — その化石を価値あるものにするもの